米ワシントン・ポスト紙が一月三日付のコラムで「日本核武装論」を掲載し、日本政府内で反響を呼んでいる。コラムは北朝鮮を牽制するには「日本の核武装が最善の対抗手段になる」という内容。現実性には乏しいが、政府内では「よくぞ書いてくれた。(日米政府高官の)誰もが思っていても口に出せなかったこと。有力紙が掲載した意味は大きい」と明言する防衛庁関係者さえいる。 現在、日本政府には拉致事件や核開発問題で切れる外交カードがコメ支援の見送りくらいしかなく、手詰まり状態。不正送金の舞台とされ、北朝鮮の「工作母船」(自民党議員)とまで呼ばれる万景峰号の寄港制限さえできず、政府内にはかねてから不満がくすぶっており、ある外務省関係者も声をひそめて、こう語っていた。「有力政治家が平壌に行って『日本が本気で核開発に取り組めば、核弾頭の保有数と能力は北朝鮮の比ではない』くらいの発言をしてくれるのが一番の牽制材料」 米政界に影響力のある有力紙がこうした一部官僚の気持ちを、いわば代弁してくれたわけで、霞が関や市ヶ谷に“感謝の念”が広がっている。

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