北朝鮮の寧辺にある核関連施設で技術者や作業員らが多数被曝したとの情報がある。 国連外交筋が北朝鮮に駐在するWHO(世界保健機関)関係者からの情報として語ったもので、それによると、昨年暮れに核燃料棒二千本以上が搬入されたとされる寧辺の五千キロワット原子炉施設で今年初め、燃料棒から大量の放射線放出が確認された。当時施設内には再稼動準備作業を行なっていた数十人の技師と百人近い作業員がおり、全員が被曝した可能性がある。 IAEA(国際原子力機関)は、昨年十二月末に北朝鮮を追放された査察官二人から「核燃料棒の搬入作業が安全対策なしに行なわれている」との報告を受けていたといわれる。搬入作業が安全性を無視して行なわれたことが燃料棒の損壊を招き、放射線放出の原因になったとみられる。 北朝鮮では九四年に黒鉛炉からの燃料棒の引き抜き作業が行なわれた際にも多数の被曝者が出たとの情報が流れた。今回の事故については、北朝鮮と国交を持つドイツの外務省も、寧辺の核関連施設で最近、重大な事故が起きたとの情報を入手しているという。

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