二〇〇二年度の第3四半期(十―十二月)の連結決算で過去最高の千二百五十四億円の純利益をあげたソニー。好調の陰で脆さを露呈した事業があった。「バイオ」で一世を風靡したパソコンと、スウェーデンのエリクソンと組んで展開している携帯電話だ。 パソコンではNECや富士通がIT不況の中でもどうにか年初計画をクリアしているのに対し、ソニーは出荷台数を期初計画から約三割も下方修正し、三百十万台とした。前年度比では一〇%減の数量で「一人負け」を喫した格好だ。バイオの前年度実績割れは一九九七年度に同事業に参入してから初めて。量販店関係者は「一台あたり二万円から三万円の値下げ原資をメーカー側から受けたが、効果がなかった」という。 エリクソンと二〇〇一年十月に合弁で設立した携帯電話機メーカー「ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ」も販売が伸び悩み赤字続き。世界シェアも三位から五位に転落した。 海外の映画会社の買収やゲーム部門が収益の支えとなっているのが今のソニー。これからどういった事業構造を築くのか、ライバル会社は注目している。

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