極左ゲリラや極右民兵との内戦状態が続く南米コロンビアで、二〇〇二年に計二千九百八十六人が誘拐されたことが、被害者支援などに取り組んでいる地元の非政府組織(NGO)「自由国財団」の調査で、このほど明らかになった。 これは前年から五十五人減ったものの、コロンビアを除く全世界で起きた誘拐事件の総数を上回る数。一日当たり大人七人と子供一人が被害に遭った計算になる。 誘拐犯の六〇%は極左ゲリラとみられ、以下、一般犯罪者、極右民兵と続く。多くは武装集団の資金源となる身代金が目的だが、武装組織が収監中のメンバーの釈放を要求する「取引材料」として、議員や政府高官、自治体首長を拘束するケースもある。 被害者のうち千百八十三人は、身代金を払うなどして解放され、六百九十三人は軍や警察が救出した。自力で脱出した人も三十八人いる。一方、六十二人は拘束中に殺害されたか病死したとされ、残る千人余は依然、捕らわれたままとなっている。

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