そもそも「株式を手にする理由」からして食い違う、現在の有力株主オリックスと有力買収候補の三井住友。外資と金融庁の理屈もぶつかるなかで、もつれた思惑の糸は容易にほぐれそうもない。 一月二十四日のあおぞら銀行の臨時取締役会。ソフトバンクが売却する約四九%の株式買収に名乗りを上げた、三井住友銀行、米投資ファンド・サーベラス、米GEキャピタルの三社の幹部による買収後の経営戦略のヒアリングを終えたあとの役員会議室には、あおぞら銀の幹部だけが残っていた。 さんざん論を尽くした議題が、また蒸し返された。焦点は、どの買い手候補に対してデューデリジェンス(買収価格を算定するために必要な買収先の資産査定)を認めるか。この議論は昨年末以来、数えて四回目となる。 三井住友銀は、あおぞらの子会社化をも視野に入れているという。議論が二時間を超えようとしたとき、一部幹部が「三井住友銀への資産査定を拒み続ける理由が対外的に説明できない。議論の先延ばしはあおぞら銀の経営にも影響を与えかねない」と指摘する。ここでようやく「(あおぞら銀買収後の)経営戦略や事業計画等の調整を要する」との条件付きながら、三井住友銀と米サーベラスの資産査定受け入れが大筋で決まったのだという。

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