韓国の盧武鉉政権が五年間の任期中に、北朝鮮と統一憲法を制定し、一気に連合国家方式による南北統一を図ることを検討、米政府が神経をとがらせている模様だ。 就任演説で金大中前大統領の太陽政策の「継承と発展」を誓った盧武鉉大統領は、「反米、親北の意識が非常に強い。金大中氏のような米国体験もなく、何をするか危険」(米政府筋)との見方もある。 就任直前の二月二十日、羅鍾一国家安保補佐官が北京で北朝鮮高官と秘密接触していたことが明るみに出たが、その際、四月か五月に南北首脳会談を平壌かソウルで開くことを打診したといわれる。盧大統領には、核・ミサイル問題への危機感はなく、韓国で高まる反米ナショナリズムを利用し、任期中の統一に野心を燃やしているようだ。 策定中の統一憲法案は、南北が体制を維持し、交流も制限したまま統一国家のみ創設する内容といわれ、北の故金日成主席がかつて提唱した「高麗連邦」方式に近い構想。初代の統一大統領は金大中氏という説もある。当然、ブッシュ政権による圧力が予想され、韓国側は来年の米大統領選で民主党候補の勝利を望むことになろう。

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