風前の灯となったイラクのフセイン政権に、「欧州最後の独裁者」と呼ばれるベラルーシのルカシェンコ大統領が“温かい”手を差し伸べている。 米英の武力行使に反対しているロシアは、フセイン大統領と長く親交のある中東専門家のプリマコフ元首相を大統領特使としてバグダッドに派遣して、フセイン大統領に開戦回避のための譲歩を迫った。クレムリン筋によると、プリマコフ工作の中には、土壇場でフセイン大統領が海外に亡命するというオプションも含まれており、実際の亡命先としてロシア、ベラルーシ、リビアの三カ国が提示されたという。 米国情報によれば、ベラルーシはイラクに通常兵器を密かに輸出するなど、イラクと特別な関係を築いている。このほか、フセイン大統領の長男ウダイ氏がベラルーシで三月下旬に開かれる国際レスリング大会に、イラク五輪委員会委員長の資格で参加することが決定。さらに、バグダッド市長も三月初めに、視察を名目に首都ミンスクを訪れている。 ルカシェンコ大統領が、これらの機会を通じてフセイン大統領に何らかのメッセージを伝えることは確実とみられている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。