一橋大の産業人育成プログラム

執筆者:フォーサイト編集部2003年4月号

 キャプテン・オブ・インダストリーを標榜する一橋大学(東京・国立市)が、ここ数年、新たな産業人育成プログラムを続々開設している。大学院では修士課程のみのコースを設定しMBA(経営学修士)を与え、また学部からMBAまでを一気に修得させる五年一貫教育の制度を立ち上げた。さらに昨年、東京丸の内に「一橋シニアエグゼクティブプログラム」という経営者クラスのビジネスマンのための講座を開設。学部学生、社会人、経営者クラスのビジネスマンを対象に網羅的な産業人教育を展開している。     ○ 東京丸の内、丸ビルの十階。伊藤忠、花王、NEC、富士写真フイルムの若手幹部と役員候補社員二十五名が、シニアエグゼクティブプログラムを受講するために集まる。 講座は一カ月に一度、三日間連続で行なわれる「セッション」を中心に進められる。時間は朝九時から夕方六時までということになっているが、実際には深夜近くに及ぶことが多いという。また、丸ビル十階の部屋では、セッションがない日に受講者が各自でゼミを開いている。「極めて重要なポストにいる人たちですから、あまり日数的に拘束できません。それでも彼らには膨大な量の宿題を与えます。少なくとも四冊くらいの本の読破とレポートの作成など、一カ月間隔があってやっとできる分量です。ただし短期間で経営スキルを効率的に修得するために、資料や教科書は日本語のものがほとんどになっています」

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