防衛庁はイラク戦争後のペルシャ湾への掃海艇派遣準備に着手した。実現すれば、一九九一年の湾岸戦争後の派遣以来十二年ぶり。問題はペルシャ湾に機雷があるかだが、幹部は「日の丸を見せることこそが重要」と言う。 政府は戦後の自衛隊派遣は国連決議なしでは難しいとしており、国連安保理がまとまりそうもない現状では、自衛隊に出番が来ない可能性がある。そこへアーミテージ米国務副長官が「日本が掃海艇派遣を申し出れば歓迎する」と表明し、派遣話が急浮上した。 防衛庁は自衛隊法九十九条の「機雷等の掃海」を根拠に「わが国船舶の航行の安全を確保する」ことを大義名分にする方針。ただし、テロ特別措置法に基づくインド洋への艦艇派遣が長引いていることから、十二年前に派遣した掃海艇四隻、掃海母艦と補給艦各一隻のうち、インド洋で稼働中の補給艦の派遣は困難な情勢。 最大の問題は、イラク軍に機雷敷設の能力は既になく、わずかにまかれた機雷も掃海済とされること。日本政府は、難民もいないのに政府専用機で千六百人分のテントをヨルダンに運んで失笑を買ったが、また失態となると目も当てられない。

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