熊谷組を飛島建設と統合することでゼネコン処理に目処をつけ、一息ついた感のある三井住友銀行だが、また悩ましい問題が持ち上がってきた。会社分割により再起を期した新フジタの不振だ。 旧フジタは昨年十月に堅調な建設部門と不振の不動産部門とに二分され、新フジタとACリアルエステートが発足した。その新フジタは先に合併で発足した三井住友建設に合流して生き残りを図るが、昨年九月に三十六億円の黒字としていた最終損益の予想を前期決算で六十五億円の赤字に大幅に下方修正。会社分割の初年度からつまずいた格好だ。 受け皿役の三井住友建設はフジタの合流について「バブルに舞った負のイメージに加え、藤田(雄山)広島県知事が創業家直系であり広島選出の自民党国会議員と癒着の噂があるなど、統合するメリットは何一つ見出せない」(三井住友建設幹部)と手厳しい。しかも“健全部門”のはずが業績が振るわないとあれば三井住友建設の株主が納得しないだろう。「政治銘柄」の仲間だった青木建設や佐藤工業は一足先に法的整理で再建を目指すことになった。最後の政治銘柄も、そろそろ年貢の納め時か。

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