昨年から続いていたマレーシア与党連合の第二党、マレーシア華人協会(MCA)の内紛が、ようやく収拾された。原因だったリン・リョンシク総裁(運輸相)とリム・アーレク筆頭副総裁(前人的資源相)の対立は、双方引退で決着。党は指導部を一新して出直しを図ることになった。「もともと力量に疑問があったリン総裁が、十八年間トップに居座ったのが問題」との声が漏れるように、内紛が深刻化した背景には、リン氏の求心力不足がある。 リン氏の周辺には汚職の噂も尽きない。長男が二十代で億万長者になったのは親の威光とされ、リン氏自身もビジネス上の問題で訴えられている。今後さまざまな疑惑の追及が始まるのは必至で、政界引退後は、休職中の現在滞在しているオーストラリアに居を移すのではと言われる。 内紛の収拾は、リン体制の存続はMCAのイメージを損なうと考えた勢力の勝利だが、十月に引退するマハティール首相が、次期総選挙を睨んで圧力をかけたことは公然の秘密だ。華人たちは「新総裁のオン・カティン住宅・地方自治体相は決断力があり、リン氏より資質は上。当面の危機は乗り切れる」と見ている。

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