イラク派遣が確実視される陸上自衛隊の派遣日程が、衆院解散風の影響を受けて、先延ばしされる公算が強まってきた。 国会審議で明らかにされた自衛隊の任務は「浄水、給水、空輸」の三項目。陸自が担うのは「水」だが、実は米軍に対する燃料供給が“主任務”との情報がある。「安全第一」の陸自は、活動地を米軍が周囲五キロを有刺鉄線で囲んだバグダッド国際空港付近と想定。「活動は有刺鉄線の中。しかも米軍への燃料補給だけとなると、イラクの復興支援にならない。そこで市民に姿を見せる給水を入れた」と防衛庁幹部が明かす。 別の幹部は「派遣が確実になれば、調査団を派遣して任務やキャンプ地を決める。それまでは白紙」というが、自衛隊派遣は小泉首相の対米公約。支援の中身はさておき、十月上旬派遣という日程だけは固まっていた。 が、同じ時期に「衆院解散・十一月九日投票」が有力視され始めると事態は急変。防衛庁内には「与党が選挙公示中の派遣を嫌うのは確実で、派遣は早くても十一月半ば以降」との声も。危険な任務となるのは確実なだけに、当の陸自の本音は「先送り大歓迎」だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。