アフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが組織再建に向け活発な動きを示しており、今秋にもジハード(聖戦)を正式に宣言するとの観測が流れている。 イスラマバードの消息筋によると、タリバンの最高意思決定機関であるシューラ(評議会)はこのほど、アフガンおよびパキスタンに潜伏する最高幹部の秘密持ち回り会議を開き、最高指導者オマル師の片腕といわれるベラダル師をタリバン軍の総司令官とし、組織再建を図ることを決定した。カルザイ政権を転覆させるため、アフガン内の数カ所に秘密基地を設けて軍事作戦を準備し、タリバン政権が事実上崩壊した二〇〇一年十一月から二周年に当たる今年の十一月を目標にジハードを宣言する計画も承認されたという。 この情報は、タリバンと共闘を組んでいるとみられるヘクマティアル元アフガン首相の過激組織イスラム党の反主流派グループから、パキスタン軍情報機関が入手したとされるもの。米中央情報局(CIA)も把握しているが、タリバンがアル・カエダのオサマ・ビン・ラディンと完全に手を切ったと見ており、当面は静観する構えだと見られている。

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