準大手ゼネコンのフジタが産業再生機構の「大型案件」第一号候補に急浮上してきた。 ここにきてフジタの再生機構行きが有力視されているのは「このままでは、計画している三井住友建設との統合が頓挫する懸念が急速に高まってきた」(政府関係者)ためだ。「再生機構で不良資産を徹底的に洗い直してもらえば三井住友建設も合流に応じてくれる」との読みもある。 産業再生機構側にも、当初六月に第一号案件が決まるとしていたにもかかわらず、「八月にずれ込む可能性もでてきた」(産業再生機構幹部)と、選定作業が難航している事情がある。いまのところ一号案件として候補に挙がっている企業は「地方や中小の企業がほとんどで、知名度のある大手企業は少ない」(関係者)という状況。 実際、泥沼化するフジタへの支援に疲弊した三井住友銀行を説得して、再生機構に引き受けさせることができれば「再生機構、銀行の双方にとってもめでたいシナリオ」と指摘する向きは多い。相次ぐ債務免除にもかかわらず再起のきっかけをつかめない他のゼネコンもフジタの今後の動向に目を光らせている。

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