ブッシュ米大統領と通訳抜きで冗談を飛ばし合える英語力が小泉純一郎首相の外交上の強みとも言われるなか、胡錦濤中国国家主席の語学力が注目されている。 六月のエヴィアン・サミット。ブッシュ大統領を小泉、英ブレア両首相が囲んで歓談していた。小泉首相が「大統領んとこの犬、太ってるなあ」と水を向けると、ブレア首相が「名前は何だっけ?」(本当はバーニー)。 ブッシュ大統領は「ああ、ハワード・ベーカー(巨漢の駐日米大使)だよ」と混ぜ返し、両首相は爆笑。「本人が傷つくから」とオフレコにされたが、イラク戦争で協調した「有志の連合」の親密さを誇示した場面でもあった。 ところが、同席した胡主席は全く会話に加われずじまい。小泉首相は「すごく緊張して立ち尽くしていたな」と秘書官に明かした。 新世代の指導者というイメージを振りまく胡主席だが、これに先立ち各国首脳が揃ったサンクトペテルブルクでの観劇でも夫人同伴の原則を破り、女性通訳を同席させていた。小泉首相側近曰く、「英語もできない中国首脳を『エヴィアンの主役』と書きたてた日本メディアは猛省すべきだ」。

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