イスラエルの対外特務機関モサドがシリアの秘密化学兵器工場をターゲットに秘密作戦を計画しているとの情報が流れている。 カイロの外交筋によると、シリアは一九七〇年代にエジプトから供与された技術を基にVXガスやマスタードガスなどの化学兵器を製造、今回のイラク戦争中にも国内の砂漠地帯でその実験を行なった。 これを探知したイスラエル軍は、化学兵器がシリアの長距離弾道ミサイルに装着される可能性が高いとの情報を入手。このため、イスラエル首脳はダマスカス近郊などシリア国内の十数カ所にある「製薬工場」を襲撃する秘密作戦の立案をモサドに命じたという。「製薬工場」が隠れ蓑で、北朝鮮とロシアの専門家の技術支援で化学兵器の研究・製造が行なわれているのは確実とみられる。 シリアの化学兵器保有については米国も懸念しており、イラク戦争直後、ワシントンでCIAとモサドが数回にわたって会合を開き、対策を協議したことが確認されている。

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