「無党派旋風」に乗って今年一月に発足したばかりのエクアドルのグティエレス政権が、七月以降だけで閣僚が三人も辞任、早くも「危機」を迎えている。 エクアドルでは二〇〇〇年一月、当時のマワ政権の経済政策に反対し、混血を含めると人口の過半を占める先住民が蜂起した。これに陸軍大佐だったグティエレス氏が加担して政権を打倒。昨年の大統領選には新党を率い、先住民組織の応援で勝利を収めた。 しかし就任後は対外債務返済のため、国際通貨基金(IMF)の支援獲得を目指して緊縮財政を推進。これに反発した左派政党の連立離脱で国会(定数百議席)の与党議席は十七にまで減少した。頼みの綱の先住民組織からも、政策転換と中央銀行総裁や財務相の交代といった厳しい要求を突き付けられている。 エクアドルでは、一九九七年に当時のブカラン大統領が国会に罷免され国外逃亡したほか、九六年以降でまともに任期を全うした大統領はおらず、グティエレス氏の先行きも危ぶまれている。

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