ロシアがアジアへの兵器売り込みに注力している。八月初めにはプーチン大統領自らマレーシアを訪問、最新鋭戦闘機スホイ30MKMの輸出契約の調印式に臨んだ。 ロシアとマレーシアが結んだ契約はスホイ30十八機を二〇〇七年までに引き渡すという内容で、九億ドル(約千百億円)という巨額の商談だ。マレーシア人の宇宙飛行士を二〇〇五年にロシア宇宙船ソユーズに乗せて国際宇宙ステーションに送り込むという“おまけ”も付いている。 ソ連時代の一九六七年に両国の国交が結ばれて以来、ロシア(ソ連)の最高指導者のマレーシア訪問は今回が初めて。首脳が外遊する際は何カ国かまとめて訪問するのが普通だが、今回は東南アジアではマレーシアだけ。ロシアがいかに今回の訪問を重視していたかは明らかだ。 ロシアは中国やインド、ベトナムにもスホイ機を売却済みだが、今回の契約によりマレーシアはスホイの保有機数で中印に次いでアジアで三位になる。マハティール首相がかねて米国の一極支配を強く批判していることもあり、マレーシアはロシアにとって有力なパートナーになる可能性がある。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。