アメリカの友人

執筆者:名越健郎2003年9月号

 株価が多少持ち直したとはいえ、日本経済のファンダメンタルズが好転したわけでは決してない。失業率上昇、企業倒産、成長率鈍化など不況感は強まっている。デフレ不況の象徴的人物として、金融再生プログラムというハードランディング路線を推進する竹中平蔵金融・経済財政担当相への風当たりは、与野党から引き続き強い。問「竹中大臣は学者なのか、それとも政治家なのか」答「政治家だ。学者はいきなり人体実験はしない」 米中央情報局(CIA)が日本政府に対し、テロ組織アル・カエダが日本経済に打撃を与えるテロを計画していると警告、米国の先制攻撃に協力するよう訴えた。 日本政府高官が答えた。「小泉首相と竹中大臣は2年前、日本経済に打撃を与える先制攻撃を既に実行しています」 小泉首相が参列して自衛隊観閲式が行なわれ、自衛隊の最新兵器がパレードした。すると、ミサイルや戦車に混じって、竹中大臣も会場を行進してきた。 小泉首相が防衛庁長官に質問した。「どうして竹中大臣が最新兵器なのか」「彼の威力はすさまじいものです。なにしろ、日本経済を破壊し尽くしたのですから」問「小泉首相の構造改革と情報公開はどちらが重要か」答「情報公開の方が重要だ。情報公開がなければ、構造改革が進んでいることは誰にも分からない」

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