ミャンマー軍事政権に拘束されている民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー氏の「ハンガーストライキ」をめぐって、同国軍事政権と米国務省が激しい情報戦を展開している。 米国務省は「信頼すべき情報筋」の話として、「スー・チー氏が自らの即時解放を要求してハンストに入った」と二度にわたり発表。これに対し軍政当局は、赤十字国際委員会(ICRC)のヤンゴン駐在のスタッフに面会を許す形でスー・チー氏の無事を確認させ、「ハンスト情報は誤報だった」と主張している。 米情報は(1)スー・チー氏が収容されている施設に医師が入るのが目撃された(2)スー・チー氏が当局に対し定期的に外部からの調達を願い出るメモの中に、いつも記載されている果物が入っていなかった――などが根拠とされる。 ただ、ヤンゴン駐在の外交筋は「ハンスト決行の情報をでっち上げ、結果的にICRCか国連特使にスー・チー氏の無事を確認させることを狙った米当局の策略」と分析。一方、「軍政当局が、米国の情報入手経路を精査するため虚偽情報を流し、米国がそれに引っ掛かった」とする見方も。

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