曲がりなりにも「政権公約」を打ち出して、自民党と民主党が真っ正面から対峙する総選挙を間近に控え、小泉政治の特質と今後の日本政治の課題を、共に日本を代表する政治学者とジャーナリストが語り合う。司会 本誌編集部(十月六日、山の上ホテルにて)――まず、自民党総裁選・組閣の感想から聞かせて下さい。北岡 小泉さんの権力嗅覚は大したものですね。まず、いわゆる抵抗勢力を挑発し始め、総裁選が凡戦にならないようにした。それから、八月二十日、外遊先のポーランドで、総裁選で自分に反対した人でも政策が一致するなら再選後に協力してもらう可能性があると発言し、三日後に堀内光雄総務会長が降りてと、そうやって反小泉の統一候補になる人を潰していき、勝利への道を固めていった。 組閣になると、高村正彦さんが外務大臣になる可能性があると言われていたわけですが、その予測を裏切り、今回は高村グループはみんな干した。チャレンジャーは潰すという形を貫き、一方で橋本派からも人材を引き抜いた。 さらに山崎拓幹事長の処遇。みんなから山崎外しだけはやれと迫られ続けて、最後に、外したからいいでしょと副総裁に上げちゃった。最初から副総裁にするなどといったら絶対に通らない話です。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。