米国陸軍の特殊部隊がインドのジャム・カシミール州の山岳地帯で秘密活動を行なっているとの情報がある。ニューデリーとワシントンの軍事筋の話を総合すると、この特殊部隊が展開中とみられるのは同州山岳部のラダク地域。パキスタンや中国と国境を接する極めて重要な戦略的要衝で、これまでインド軍は外国人の立ち入りを一切認めてこなかった。 米特殊部隊は九月下旬ごろからラダク地域で「インド軍との合同演習」のため活動しているとされる。米国の強い要請によって極めて例外的に同地域での合同演習が認可され、演習は三千メートル以上の高地で実施されているとの情報がインド側で流れている以外、ほとんど実態は分かっていないようだ。 ワシントンの軍事筋は「米印両国は昨年以来、たびたび合同演習を行なっている」と指摘しているものの、国際外交筋は「インドにとって高度な機密保持が必要なラダク地域で米国の特殊部隊の活動を認めるにはよほどのわけがある」と推測する。このため、オサマ・ビン・ラディンの捜索説を始め、パキスタンか中国の異常な動きの監視説など諸説が出ている。

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