中東情勢に詳しい消息筋は、イランとリビアが昨年十月末、トリポリで化学兵器開発に関する秘密協定を結んだことを明らかにした。 協定はリビアの有毒ガスを搭載するスカッドミサイルの弾頭開発・製造のため、イランが技術を提供するというもの。同時に、化学攻撃に対する防護服、マスクなどの装備も提供するという。 両国のミサイル開発での協力関係は幅広い。イランは現在、リビアに対しミサイル発射装置やテレメーター(遠隔監視装置)の改良などに協力しているほか、数百人のリビア人技術者に対し、ミサイル誘導装置の使用やシステム制御について指導している。 このほかイランは、二〇〇六年までに固体燃料ミサイルも提供するほか、スカッドミサイルの射程を八百五十キロまで延ばすための研究開発にも協力することになったという。 消息筋は「リビアは化学兵器のミサイル弾頭搭載を試みてきたがこれまでうまくいかなかった。成功すればリビアの軍事能力は格段に向上し、イスラエルなどだけでなく欧州にとっても脅威になるだろう」と警告している。

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