中東やアフリカ諸国へのミサイルなど武器輸出を数少ない外貨獲得源のひとつとしてきた北朝鮮が、防空システム市場で東欧諸国に追い上げられている。 九一年の湾岸戦争や今春のイラク戦争にみられたように圧倒的な空軍力を誇る米軍などに対抗するため、防空能力を高めることは各国にとって喫緊の課題。しかし、日本のようにパトリオットミサイルのような最先端の防空システムを導入できるわけではない。 そのため旧世代の対空システムを改良した兵器への関心が高まっている。北朝鮮はこの分野に着目し、SAM(地対空ミサイル)を改良するなどして売り込みを図ってきた。 ところが、こうした需要の高まりに東欧諸国も目をつけてきた。たとえばアフリカ西部のモーリタニアは最近、クロアチアの防衛産業との間でレーダー装置など防空システムの強化に関する契約を交わしている。 中東軍事筋は「輸出だけでなく、武器の製造にまで加担する武器商人としての北朝鮮の活動は“順風満帆”だったが、これからは厳しい競争にさらされるだろう」と指摘している。

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