あおぞら銀行株の売却で一転、潤ったソフトバンクが、密かにフジサンケイグループ(FCG)に食指を動かしている。 最近、グループの持株会社的存在であるニッポン放送の上位の株主に、米投資会社のサウスイースタン・アセット・マネジメントと村上世彰氏率いるM&Aコンサルティングが躍り出た。放送法の外資規制からサウスイースタンは二〇%を超えるニッポン放送株を保有できないため、サウスイースタンと村上氏が手を組むかどうかが注目を集めているが、実は水面下で孫正義ソフトバンク社長も活発に動いているという。 海外ファンドに太い人脈を持つ孫氏は「放送局の経営に関心の薄いサウスイースタンに接触し、自ら手がけるブロードバンド事業『ヤフーBB』のコンテンツをFCGの買収で獲得しようとしている」(ソフトバンク関係者)。 かつて孫氏がメディア王ルパート・マードック氏と組んでテレビ朝日の買収を画策したことは記憶に新しい。孫氏にとってFCGのコンテンツや人材を獲得する絶好の機会なのは間違いないだけに、同氏の出方に注目が集まる。

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