一気に財務リストラに踏み切り業界の話題となったトラックメーカーの日産ディーゼル工業。メーンバンクのみずほコーポレート銀行などからの融資の優先株への転換や親会社・日産自動車による優先株引き受けなどで総額千六十億円の金融支援を受け、二〇〇三年三月期の繰越損失を解消した。 今回の財務リストラは表向き日産のゴーン社長によるグループ経営強化策の一環とされているが、実際には完全にみずほコーポレート主導で計画されたという。狙いは「日産ディーゼルの財務をきれいにし、同じくみずほコーポレートがメーンバンクのいすゞと統合する」(大手銀行幹部)こと。いすゞは米GM(ゼネラル・モーターズ)の傘下にあるが、「一向に業績が改善されず、厳しくなる一方の排ガス規制への対応で開発負担も重くのしかかり、GMは関係を断ち切りたがっている」(大手トラック幹部)という。 みずほ内でも「産業再生機構への持ち込み案件が少ないとの政府からの指摘に応えるためにも、いすゞを再生機構に送り、日産ディーゼルと統合させるシナリオが急速に現実味を帯びている」(政府関係者)。四社が並存してきた国内トラック業界だが、いよいよ再編の幕が切って落とされそうだ。

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