旧ソ連外相として革新的な外交を担ったグルジアのシェワルナゼ大統領が、野党勢力の伸張で苦境に追い込まれている。 シェワルナゼ政権は、NATO(北大西洋条約機構)加盟申請や米軍特殊部隊の常駐許可などでロシアの神経を逆なでしてきた。カスピ海の石油をアゼルバイジャンからロシアを経ずに自国を通してトルコのジェイハンまで運ぶパイプライン計画を推進したことも、プーチン政権の不興を買っている。 こうした流れで、十一月二日投票のグルジア議会選挙は、ロシアにとってシェワルナゼ排除の好機となった。有権者名簿の混乱などから開票が大幅に遅れ、ブルジャナーゼ議会議長ら野党指導者が大規模な反政府デモを組織、政府の不正選挙を訴えている。 プーチン政権の意のままに動くロシア国営メディアは、連日、反シェワルナゼ報道を展開、グルジア野党との連絡を担うロシア対外情報局の要員が現地入りしているという。ロシア機とみられる国籍不明機がグルジア領空を日常的に侵犯しているのも、クレムリンの指示とみられる。

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