ミャンマーが武器市場と化す理由

執筆者:2003年12月号

 カンボジアに代わる武器のブラックマーケットとして、ミャンマーが台頭、中国製の武器がアンダマン海に面するミャンマーの港から行き先がはっきり把握されないまま各地に密輸されているとの説が出ている。 背景には、これまでミャンマー政府軍と戦ってきた少数民族のゲリラ部隊が政府と停戦協定を結んで武器が余剰となっていること、政府軍の監視が緩み武器の移動が容易になったことなどがある。 武器売買の仲介者として特に注目されているのは、ミャンマー北部を拠点とする統一ワ国軍。諜報関係者によれば、同軍は中国軍から仕入れた武器を不特定の買い手に引き渡す「橋渡し役」を務めている。二〇〇一年十一月にミャンマーとインド国境でライフル銃二百―四百丁が当局に押収された取引に関与していたとされる。 また、政府と停戦中の別の少数民族ゲリラ「カチン独立軍」も今年、中国から相当量の小型兵器を買い付けたとみられ、これが闇の市場に流れる可能性もある。

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