ロシアの防諜機関FSB(連邦保安局)が最近、ロシアが独自に集めたアル・カエダなどの国際テロ情報を日米両国や欧州主要国の治安機関に提供し始めた。 ロシアの情報機関は米同時テロ事件以後、国際テロ情報を米CIA(中央情報局)などと交換しているが、プーチン大統領直々の指示で他の主要国にも情報提供を拡大したという。反テロの国際協力を拡大する狙いがあるようだ。 外交筋によれば、FSBが提供したのは、(1)アル・カエダなどロシアがテロ組織とみなす十五組織のリスト、(2)アル・カエダの資産や資金の流れ、(3)アル・カエダの傘下組織――など。アル・カエダが公然と日本へのテロを予告し始めた中で、ロシアからの情報提供は意義があると公安関係者は指摘している。 プーチン政権はロシア各地でテロを続けるチェチェン独立派武装勢力とアル・カエダの連携を再三警告してきたが、各国の反応は鈍かった。しかし、米FBI(連邦捜査局)が最近、二〇〇二年十月のモスクワ劇場占拠事件にアル・カエダが関与していた可能性について捜査を開始したとされ、米露間の情報交換が熱を帯びている。

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