年明け早々、バジパイ、ジャマリ両首相が会談するなど、インドとパキスタンには関係改善の動きが目立っているが、一方で、インドが近々、新型弾道ミサイル、アグニ3の発射実験を行なう可能性が出てきた。 アグニ3は現在配備されている射程八百キロのアグニ1、同二千キロのアグニ2に続くミサイル。到達距離は四千キロにまで延び、最大の“仮想敵国”であるパキスタンはもとより、中国までも射程内に収める。 もちろん、核弾頭の搭載が可能で、ニューデリーの外交筋によれば、インド軍はこのアグニ3を対中・対パキスタン戦略の切り札としたい考えだという。 アグニ3の最大の利点は、発射がミサイルサイロ固定式ではなく、移動式であること。そのため、敵の攻撃を避けることが比較的容易であるとされ、インド軍は車両か鉄道によって移動させる方法を検討している。 一方、パキスタンや中国はアグニ3について、開発情報が流れた時点から強い警戒感を抱いていたが、発射実験間近との噂に衝撃を受けているようだ。 とりわけパキスタンはアグニ3が実戦配備されれば、「インドの核を叩く」ことが不可能になると懸念しており、イスラマバードの消息筋によれば、同国軍部は近く対印戦略を全面的に見直す予定だという。

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