大統領候補の候補たち

執筆者:名越健郎2004年2月号

 長くて過酷なサバイバル・レースである2004年米大統領選が、1月のアイオワ州党員集会を皮切りに始まる。現職のブッシュ大統領に対抗する民主党は、9人が出馬しているが、ディーン前バーモント州知事が一歩抜け出し、候補者争いの本命となりつつある。 医者出身のディーン氏は、イラク戦争に強硬に反対、国防予算削減や保護貿易主義を唱え、最近の民主党では珍しいリベラル。4年前にブッシュ大統領と死闘を演じたゴア前副大統領の推薦を受けたことで、お墨付きを得た。 ただし、保守系紙ワシントン・タイムズが、「通常、政治家は成熟すると左から右に変わるが、ゴア氏はその逆だ」と書いたように、中道のゴア氏がリベラルのディーン氏を支持したことは驚きだった。 ゴア氏が「草の根レベルで情熱をかき立てられる唯一の候補だ」としてディーン氏を推薦した。 すると、連邦最高裁はこれを審議し、憲法違反として5対4で推薦を却下。ブッシュ大統領への推薦に変更するよう裁定した。 4年前、ゴア氏とともに副大統領候補として出馬したリーバーマン上院議員が、ゴア氏のディーン氏支持についてコメントした。「支持を集めても、大統領選挙には勝てない。票を集めても、大統領選挙には勝てなかったのだから」

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