イラク南部サマワの共同通信の臨時支局が「テロの標的となった」との情報が駆け巡り、一月下旬、同社は支局を閉鎖して記者らはいったん撤退した。だが、詳細な情報は明らかになっておらず、サマワに残った日本の他のメディアが「同様の標的になる恐れ」も捨てきれないという。 共同通信の取材拠点はサマワで借り上げた民家で、関係者によると、一月二十五日夕に「テロリストがサマワの日本のメディアを狙っている」との情報が入った。日本の報道陣は四軒の民家を借り上げていたが、分析すると標的は共同通信らしいとわかったという。 さらに、「共同通信はテロリストの監視下に入り、包囲されつつある」との情報も入り、共同通信本社は外務省と協議した結果、一時撤退を決めた。外務省は同省記者クラブの加盟各社に一月二十六日付で注意勧告を発したが、この際には「共同通信の臨時支局を事前に下見した人物がいた」などの詳細情報をあえて出さなかった。 このため、報道各社にはテロが差し迫っているとの認識は伝わっておらず、サマワに残る約六十人の日本の記者やカメラマンらの身を案じる声が高まっている。

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