パキスタンの核開発の父、カーン博士が核技術の流出を認めたことで、この分野でのパキスタンコネクションの存在が浮かび上がったが、軍事筋によると、カーン博士やその周辺に核流出を働きかけたのはイランの情報機関やイスラマバード駐在のイラン人武官だったという。 イラン情報機関は、宇宙高層大気研究所やカーン博士が代表を務めていたカーン研究所などから技術者をスカウトすることに力を入れ、三人の獲得に成功。彼らをイラン国内にある工場に送り込んだとされる。 一方、駐在武官はパキスタンに弾道ミサイルを提供していた北朝鮮の軍事企業「チャングァン信用社」のパキスタン支社代表と接触。同社は朝鮮労働党直属の第二経済委員会が直接運営しており、ミサイル輸出などで米国からたびたび制裁を受けている。 イラン側は弾頭のミサイル搭載技術や中国譲りのミサイル軌道安定技術の入手を狙っていたという。北朝鮮のノドンおよびテポドンミサイルの発射実験場にはイランやパキスタンから視察団が来ていたとされており、核とミサイルの開発における三カ国の“悪の連携”は根が深いといえる。

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