スペインの列車爆破テロをめぐってはアル・カエダ関与説も出ているが、オサマ・ビン・ラディンが欧州でテロを仕掛けるため「欧州軍」の創設を進めていたとの説がある。パリの国際治安筋によると、これは今年に入り、英国、フランス、ドイツなどで捕らえられたアル・カエダ要員から得た供述や文書に基づく欧米の情報機関の共通認識だ。 ビン・ラディンは、イラクなど中東の「近い敵」ではなく、欧州の「遠い敵」を重点攻撃目標にするよう、配下のグループやシンパ組織に訴えている。英仏独のほかアルバニアなどバルカン諸国やコソボでアル・カエダ細胞が本格的なテロ集団「欧州軍」の創設に動き始めた兆候があるという。 仏情報筋によれば、この活動の特色は、イスラム教に改宗した白人をアル・カエダ要員に勧誘し、筋金入りのテロリストに仕立てる方法。白人の場合、一般市民の間に紛れ込んだとき目立たないことや、既存のアル・カエダ細胞とつながりがなく、捜査当局の目を逃れるのが容易なためとみられる。すでに百人程度の白人「新兵」が欧州各地で特訓を受けているとの情報もある。

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