石の上にも『小泉』三年

執筆者:2004年5月号

 長ければいいというものでもないが、小泉純一郎内閣が誕生してから、三年になる。もう三年、と思うか、まだ三年と思うかさまざまだろうが、短命内閣が続いた近年では珍しい長期政権である。最近でいえば、在任期間千八百六日の中曾根康弘内閣に次ぐ。 少々おおげさに歴代総理大臣の在任期間を調べてみると、初代伊藤博文から小泉純一郎まで五十六人の総理がいるが、通算三年を超えた総理は伊藤博文(二千七百二十日)、山県有朋(千二百十日)、西園寺公望(千四百日)、桂太郎(二千八百八十六日)、原敬(千百三十三日)と続いてあとは戦後になる。吉田茂(二千六百十六日)、岸信介(千二百四十一日)、池田勇人(千五百七十五日)、佐藤栄作(二千七百九十八日)、中曾根康弘(千八百六日)。いまのところ歴代十一位だが、このまま二〇〇六年九月の自民党総裁任期が切れるまでつとめると在任二千日前後に及ぶ。二千日を超えると中曾根内閣を超え、戦後では佐藤栄作、吉田茂に続く第三位。歴代でも第五位に位置することになる。 総理大臣が代わったからといって、政治がそれほど大きく変わるものではない、とこれまでは躊躇することなく断言できた。小泉内閣の業績を挙げよ、といわれると言葉に窮するが、成果かどうかはともかく、政治の景色はずいぶん変わってきた。それが小泉純一郎という「奇人」の登場によるものと見るのか、時代の変化に政治でさえ変わらざるを得なかったと判断するのか。

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