南米の大国ブラジルがひそかに核開発に乗り出そうとしており、米ブッシュ政権がブラジルに政治的圧力を加え、阻止しようとしているとの情報がある。 ワシントンの消息筋によると、米中央情報局(CIA)および米エネルギー省は、ブラジル軍部が一九八五年に中止した核兵器開発の研究を最近再開したとの極秘情報をつかんだ。これは、六〇年代に同軍部が作成した「ソリモエス計画」という核兵器製造のための極秘プランをベースに、十二キロトンと三十キロトンの二個の原爆製造を目指すものだという。 ウィーンの国際原子力機関(IAEA)は、リオデジャネイロ郊外に建設中のウラン濃縮施設への立ち入り検査を再三にわたって求めているが、ブラジル側から拒否されており、施設内の遠心分離機が核兵器開発計画に関係しているとの疑いを強めている。 ホワイトハウス筋は、ルラ・ブラジル大統領が二〇〇二年の大統領選での当選前後に同国軍部首脳と秘密会合を持ち、支持と引き換えに核兵器開発の再開を軍部に約束したのは確実だとし、開発阻止のため可能な限りあらゆる手段を行使していると語っている。

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