朝鮮総連が金正日に褒められた

執筆者:2004年7月号

 五月二十二日の日朝首脳会談後、北朝鮮の金正日総書記から朝鮮総連に「お褒めの言葉」が送られたという。五人の拉致被害者家族の帰国の見返りに日本側から支援を引き出した今回の会談は大成功だったと、会談実現に動いた許宗萬責任副議長らを評価したとみられる。 北朝鮮が拉致の事実を認めた後、総連は東京都から固定資産税の減免措置を取り消されるなど“権勢”は衰えた。野中広務元自民党幹事長ら北朝鮮寄りの議員らも相次いで引退。代わりに接近した山崎拓前副総裁も落選。強硬派の安倍晋三幹事長らが台頭して制裁法が成立するなど厳しい状況に置かれた。 首相訪朝は総連にとって平壌に存在価値を示す結果となった。このほど開かれた二十回全体大会では国交正常化交渉や韓国との折衝に備え国際局を強化するなど、「在外公館」化を進めている。 その一方で、許副議長を中心とする体制の強化も図られ、活動員たちには総連に対する忠誠を示す文書を提出させているという。「許副議長は早ければ年内、来年にも国交正常化が実現すると豪語している」(総連関係者)とも。

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