前項とも関連するが、サウジアラビアに本拠を置くイスラム系の慈善団体が国際テロ組織アル・カエダの有力な資金源になっているとの説がある。 サウジ駐在の西側外交官によると、この団体はアフリカやアジアの貧しいイスラム教徒を支援する目的で数年前に設立された「アル・ハラマイン財団」。世界各国に支部を置き、毎年世界中から数千万ドルの寄付を集めているとされている。 米情報機関がこのほど入手したアル・ハラマインの内部文書によって、寄付金の一部がアル・カエダやそのシンパ組織の活動資金になっていたことが判明した。二〇〇二年にケニアで起きたイスラエル系ホテル爆破事件や、一九九八年のケニアとタンザニアの米大使館爆破テロの実行犯グループがそれぞれ同財団の資金を使用していたほか、インドネシアのイスラム過激派組織、ジェマー・イスラミア(JI)のグループにも同様の金が渡っていた可能性が濃厚だという。 米国はサウジ政府を通じ、アル・ハラマインの徹底的取り締まりを求めているが、同財団はケニアやソマリアなどで別名の団体を作って依然、活発な活動を行なっているといわれる。

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