十一月の米大統領選に向け、ロシアのプーチン大統領がブッシュ大統領の援護射撃ともとれる発言を連発している。六月の訪米中、「米民主党にはブッシュ政権のイラク攻撃を批判する資格はない。民主党もコソボ空爆という同じことをした」と述べ、その後カザフスタンを訪れた際も、会見で「フセイン政権が反米テロを準備しているとの情報を何度か入手し、米国に通報した」と公表している。 フセイン政権とアル・カエダの連携を示す証拠はないとする超党派の調査委員会報告が出た直後の発言だっただけに、ブッシュ政権には援軍となった。ロシアはフセイン体制下のイラクで強力な情報網を構築、その発言は説得力を持つ。今後、十一月に向け、ロシアがイラク攻撃を正当化する機密情報を公表する可能性もある。 ロシアがブッシュ再選を望む理由には、首脳間の個人的信頼、共和党のプラグマティズム支持などのほか、「民主党が人権外交重視でロシアのG8入りに否定的なことや、ロシアではケリー氏がユダヤ系であるとされていることが背景にある」(ロシア政界筋)という。ロシア人はユダヤ系が苦手ゆえ、というのだが……。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。