帝国ホテルは誰が買う?

執筆者:2004年8月号

「海外のファンドが水面下で国際興業に接触している」(大手都銀幹部) 大口融資先の処理を進めるUFJが国際興業に対して経営再建計画の見直しを求めた。国際興業は帝国ホテルの発行済み株式の三九・四%を保有するが、その全株式を売却する見通しだ。日本でも屈指のホテルだけに、早くも多くの「買い手候補」が名乗りを上げているという。 その筆頭格は、先ごろDDIポケットに出資した米投資ファンドのカーライル。カーライルは不動産やホテル運営に強みを持つ同業の米スターウッド・キャピタルから幹部二人を引き抜き、日本でのホテル投資を強化する計画だ。 米コロニー・キャピタルも有力候補。ダイエーから福岡ドームやホテルを買収したコロニーは、帝国ホテルとの相乗効果を狙う。チサンホテルを買収した米ローンスターなどの名も挙がり、「名乗りを上げているのは大部分が海外ファンド」と関係者は語る。 海外ファンドにとって、不動産市場が回復傾向にある日本でのホテル買収は魅力的。名門ホテルに食指を動かす海外資本の動きに、ホテル業界は気を揉んでいる。

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