日本テレコムを傘下に収めたソフトバンクが、C&WIDCの買収にも動く気配がある。 C&WIDCは、一九八六年に伊藤忠商事や英C&W(ケーブル・アンド・ワイヤレス)、トヨタ自動車などが出資して設立した国際電話会社「国際デジタル通信企画(IDC)」が前身。九九年にNTTとC&Wが買収合戦を繰り広げ、株式公開買い付け(TOB)の結果、現在に至っている。 NTTへの対抗心が強いC&Wが母体だけに、ソフトバンクからすれば、法人や海外向けビジネスの強化に重要な役割を担えるとの期待がある。C&WIDCを傘下に収めれば、ソフトバンクの法人顧客数は日本テレコム買収で得た二十万に、さらに四万が上乗せされる計算だ。ある幹部によればソフトバンクは「国際通信事業まで視野に入れている」ともいい、C&Wとの関係構築は海外進出のための布石となる可能性も秘めている。 買収価格は百億円前後になる見通しで、資金的にはそれほど無理な買い物でもない。ソフトバンクの長年の目標であるNTT打倒に向け、またひとつ狼煙が上がることになるのだろうか。

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