金総書記がロシアに要請したもの
2011年10月3日
やや旧聞に属するが、7月末の金正日労働党総書記の訪露について、モスクワのロシア消息筋は筆者に対し、総書記の訪露中、北朝鮮がロシア側に対空ミサイルシステム、S300とS400の供与を求めたとの情報を明らかにした。
S300は現在のロシア軍の主力対空ミサイルで、S400はそれを更新した最新型。米国のパトリオットミサイルに匹敵するといわれ、まだロシア軍にも首都や南部カフカス地方を防衛する数師団にしか配備されていない。ロシアはインドやイラン、トルコなどに売り込みを図っているが、まだどこにも輸出されていない。
北朝鮮は米韓両国の航空戦力に対抗してロシアの対空ミサイルを配備することに関心を寄せている模様だ。金総書記のロシア訪問に李炳鉄(リ・ビョンチョル)空軍司令官が含まれていたことも、対空ミサイル導入の期待をうかがわせる。
ただし、同筋は「ロシアは兵器の無償供与はしない。北朝鮮は外貨がなく、到底購入は無理だ」と指摘した。ロシア軍幹部は2009年、北朝鮮のミサイル実験に対抗するため、S400を極東に配備することを計画していると述べたことがあり、金総書記がS400の提供を求めたとすれば皮肉な展開だ。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。