金正日総書記の死、ミャンマー

執筆者:フォーサイト編集部2011年12月20日

 北朝鮮の金正日総書記が、「強盛大国の大門を開く」はずの2012年を前に、急死しました。当面は、金正日氏実妹の金慶喜氏やその夫の張成沢氏を中心に金正恩体制固めを図るものと思われますが、金正恩氏の「カリスマ化」は、まだ道半ばでした。12月6日付の記事「チョコパイと『強盛大国』」でもお伝えしましたように、北朝鮮の経済、食料事情は最悪です。そして、大失敗に終わった2年前のデノミ政策が金正恩氏主導で行なわれたことを、北朝鮮住民は忘れていません。権力の中心が失われたことで、軍部が強硬策に走る可能性もあります。核・ミサイル・拉致問題にどのような影響が出るのか、予断を許しません。フォーサイト・フォーラムにトピック「金正日総書記の死」を立ち上げました。金正日氏の死についての皆様のお考えをお聞かせください。

 「専門家の部屋」では、「インテリジェンス」に「北朝鮮人民軍の不満分子を抑えられるか」(春名幹男さん)の新エントリ。金正日氏の死去で北朝鮮では金正恩体制が動き出しましたが、1番の問題は全軍が金正恩体制に忠誠を示すかどうか。極端な場合、内乱の可能性さえあります。

 本日の更新記事は、森山伸五さんの「グローバル・ビジネスの新地政学(10)ミャンマーは第2のベトナムになるか」です。鎖国さながらの体制から、「改革開放」へと舵を切ったミャンマー。その背景にあったのは、経済面では「成長への渇望」、政治面では「中国依存からの脱却」。地政学的な強み、豊富な天然資源、格安な人件費を武器に、大きく発展する可能性があります。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。