2012年共和党大統領候補選出プロセスの幕開けとなる来年1月3日のアイオワ州党員集会まで2週間となった。本稿では、アイオワ州党員集会の特徴や役割などに触れたうえで、ニュート・ギングリッチ元下院議長(ジョージア州第6区)、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事、ロン・ポール下院議員(テキサス州第14区)の3人の主要候補にとっての課題に焦点を当てて考えてみたい。

 アイオワ州の人口は304万人(2010年国勢調査)であり、同州の共和党登録有権者数は60万人となっており、前回2008年のアイオワ州共和党党員集会に参加した有権者数は12万人であった。そのうちの実に60%以上が福音派キリスト教徒であるため、アイオワ州党員集会では福音派キリスト教徒をはじめとする社会的保守勢力の発言力が非常に強く、4年前には元牧師のマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事が勝利している。しかも、州民の91.3%は白人であり、少数民族(マイノリティ)出身の有権者が極めて少ない。全米の人口動態が反映されていない、米国の人口全体の100分の1しかないアイオワ州が、最初に党員集会を実施することで大統領候補選出プロセスにおいて過剰な影響力を持つべきではないとの議論もある。

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