大統領選まであと200日、韓国野党の混乱

執筆者:平井久志2012年6月12日

 韓国の大統領選挙は12月19日に投開票が行なわれる。6月2日でちょうどあと200日となった。与党、セヌリ党の大統領候補選出は朴槿恵(パク・クネ)氏の圧倒的な優位は揺るぎそうにない。野党の方の最大の課題は野党候補一本化が実現できるかどうかだ。

 韓国の世論調査機関、メディアリサーチが5月26日と27日に全国の1000人を対象にした調査では、セヌリ党の朴槿恵氏と野党統一候補でソウル大学の安哲秀(アン・チョルス)教授が一騎打ちをする場合の支持調査では、朴槿恵氏が47.8%、安哲秀氏が45.4%となり、僅少差で朴槿恵候補が優位という結果が出た。この程度の差は、政治の流れが一気に変わる韓国ではいつでも逆転可能な「誤差」だ。

 野党の統一候補が民主統合党の党内の人物になれば、朴槿恵氏に勝つことはほぼ無理であろう。だが、権力を目指す政治家には自分が見えない。自分が大統領の器ではないことが本人には分からない。

 韓国の野党第1党、民主統合党は6月9日に京畿道高陽市で党大会を開催し、党の代表に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で首相を務めた李海瓚(イ・ヘチャン)氏を選出した。

 同党の代表戦は先月のこの部屋で報告したように(5月28日「逆転、また逆転の民主統合党代表選」参照)、逆転、また逆転の大接戦となった。全国を巡回する首都圏以外の各地方での選挙では、全国10カ所のうち李海瓚候補は釜山と大田・忠清南道の2カ所でトップを取った以外は他候補にトップを譲った。地方での集計では金ハンギル候補が2263票、李海瓚候補が2053票と李海瓚候補は210票差を付けられた。

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