金暴落が告げる新興国バブルの幕引き
2013年4月26日
久しぶりにみる暴落劇だった。4月15日のニューヨーク市場で金相場がたった1日で9%近く急落した。銀は11%、石油は3%下落し、国際商品市場に異変が起きていることを告げた。きっかけは銀行破綻で国家財政に穴が開いたキプロスによる金の売却だったが、直接の引き金はこの日に発表された1-3月期の中国の実質成長率だ。前年同期比7.7%増と、節目とされる8%を下回った。
中国はインドに次ぐ金の需要国。その中国経済のもたつきが明らかとなったのを機に、新興国需要を当て込んだ金バブルが崩壊したのだ。金市場をめぐる有力投資家たちのドタバタ劇も興味深いが、ここではまず中国経済の異変から見ていくことにしよう。中国政府は2012年後半から景気対策に走っているが、それにもかかわらず景気が減速している点が重要だ。
中国「経済統計」への疑惑
前年同期比の成長率は12年10-12月期には7.9%と8四半期ぶりに上向いたが、13年1-3月期には再び0.2ポイント鈍化したことになる。日本など先進国でお馴染みの前期比年率でみると、7%を下回る計算となる。1-3月期の主な経済活動をみていこう。
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