米国がイランに対する秘密作戦を立案していることは公然の秘密。その立案の中心的役割を果たすのはディック・チェイニー副大統領の娘との見方が有力になってきた。 ワシントンの消息筋によると、コンドリーザ・ライス国務長官は、先ごろ、中東およびアジア問題の担当者らを集め、イランに対する硬軟両様の政策について協議。政権交代のオプションも含め秘密作戦の策定を指示した。この会合に、チェイニー副大統領の長女で、中東問題担当の国務省副次官補になったばかりのエリザベス・チェイニー氏も出席している。 ライス長官は以前からチェイニー副次官補の能力を高く評価しているといい、対イラン秘密作戦策定の実質的責任者に据えたい意向とみられる。ある会合出席者によれば、チェイニー副次官補はイランでの民主主義推進の必要性を強調し、反体制活動家を支援するよう主張。会合の後、ライス長官は対イラン秘密作戦の費用として三百万ドルの資金確保をブッシュ大統領に要請したという。 チェイニー副次官補は米中央情報局(CIA)が行なってきた対イラン諜報活動は失敗だったとみており、CIAの関与なしに国務省主導による秘密作戦を行なうことを考えているようだ。その発案で、早くもイラン向けのペルシャ語による諜報宣伝活動が強化されていると国務省関係者は語っている。

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