インドが西側から潜水艦を調達するなら、ロシアはアクラ級原子力潜水艦二隻をインドに対して貸与しない――。ロシアは、二月中旬に行なわれた政府間交渉でインドにこう通告した。アクラ級原潜はロシア原潜の中で最も潜航音が低い。 ロシアにとってインドは二番目の武器売却先だが、インドはロシアが最先端技術を提供しないことや、武器価格が高いことに不満を持っており、両国関係には時折さざ波が立つ。 インドに対する説明のなかでロシア側は、ソ連時代と違って武器貸与のための独立した機関がなく、建造メーカーから原子力潜水艦を調達し外国に貸与するような知識と経験がないことを口実にしているという。また、ソ連時代には協力を得られた地域がいまは独立国となっていることも原潜の調達を難しくしていると説明した模様だ。 しかし、アクラ級原潜を建造しているのは、白海に面するセベロドビンスクのセブマシュ原潜建設センターと、サンクトペテルブルクのスドメク海軍本部。いずれもロシア連邦内にある。どうやらロシアの本音は、インドにはアクラ級原潜をリースするのではなく、購入させたいということであるようだ。

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