次世代DVDの規格争いで、NECは、ソニーや松下電器産業が推進する「ブルーレイ・ディスク(BD)」のドライブ(駆動装置)を搭載したデスクトップ型パソコンを発売すると発表した。東芝とともに「HD-DVD」陣営に属してきたNECの「裏切り」は、年末のDVD商戦に影を落としそうだ。 NECは「データ量の多い地上デジタル放送を高画質のまま何度でも記録できるパソコン用の次世代DVDドライブはBD陣営からしか発売されていないため、BDドライブを先行させた」と説明するが、「経営不振のNECは、規格争いで敗れれば大きな売上げ減につながるため、背に腹は代えられない気持ちでBD陣営になびいた」(大手電機幹部)とみる向きも多い。 BDは記憶容量の多さ、HD-DVDは低価格が“売り”だったが、最近ではBDも「低コストで生産できるようになった」(松下電器幹部)。陣営の頭数でもBD陣営は日立製作所や韓国のサムスン電子、米アップルコンピュータ、米ヒューレット・パッカードなど十九社が名を連ねている。HD-DVD陣営でひとり踏ん張る東芝は、今後も厳しい戦いを迫られそうだ。

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