サムスン電子「模倣戦略」が招いた「失速」
2014年10月1日
売り上げ規模で、世界のエレクトロニクス業界のトップに立つ韓国のサムスン電子の業績が急降下している。世界シェアトップのスマートフォン・携帯電話の売れ行きが一転、不振に陥り、液晶テレビや半導体などほかの主力事業もそろって減速している。原因は新興国景気の落ち込みなど外部環境ではなく、サムスンに内在している。自らは何も新しい商品、技術を生み出さず、他社の後追い、模倣と他社を圧倒する大規模な量産に徹し、莫大な販売経費をかけることで力づくで、世界の頂点に駆け上ったいびつな構造である。サムスン電子の失速はこれから本格化するだろう。
「サムスン村」の出現
ベトナムの首都ハノイの北東部に位置するバクニン省イエンフォン工業団地。青い「SAMSUNG」のロゴをつけた工場群が立ち並ぶ。サムスンが世界で販売するスマホ、携帯電話のおよそ半分が今やベトナムで生産されている。サムスンの工場の周辺には韓国の電子部品メーカーなども軒を並べ、スマホ用の液晶画面を生産するサムスンディスプレイの工場も来年春には操業開始の予定。さらにほど近いイエンビン工業団地には、サムスングループの総合電子部品メーカーであるサムスン電機もPCB基板とカメラモジュールなどの工場をまもなく稼働させる。まさにベトナム北部に「サムスン村」が出現したかのような光景だ。
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